北リビングの家
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Techni Staff イクマサトシ
CATEGORY
- HOUSE
| 用途 | 専用住宅 |
|---|---|
| 延床面積 | 126.49㎡ |
| 構造 | 木造平屋建 |
計画は、左半身麻痺により車椅子での生活となった奥様と、ご主人お二人の終の住処とするためのものです。敷地は東南の角地に位置し、北側には母屋と手入れの行き届いた庭が広がる、たいへん恵まれた環境です。この北側の良好な外部環境をいかに内部空間へ取り込むか、そして奥様が残存能力のみで生活できる住宅とすることを、基本方針としました。
平面計画では、光庭を中心に回廊式の動線を設け、パブリックゾーンを北側に、プライベートゾーンを南側に配置しています。光庭は、平屋建ての奥に生じがちな暗がりを解消し、光と風を取り込む装置として機能します。リビングでは南からの採光を確保し、玄関においては空間に印象的な表情を与えています。パブリックゾーンは北側の外部空間との連続性を重視し、3.5間フルオープンが可能な木製引き戸を設けました。これにより北の庭と一体となる開放的な空間が生まれ、季節の移ろいを感じながら過ごせるリビングを実現しています。プライベートゾーンは南側に配置し、道路側にはコンクリートスクリーンと木格子を設けることで、プライバシーを確保しつつ南の暖かな光を室内へ導いています。
奥様の身体状況に配慮し、トイレは右後方アプローチ型としています。この形式は回転動作を必要とせず、右側からスムーズに便器へ移乗できる利点があります。また、移乗や立ち上がりを容易にするため、便座の高さを車椅子の座面と揃えています。浴室においても右側からアプローチできるよう計画し、要所に手摺を設けることで、お一人での入浴を可能としています。さらに外部には大きな庇を設け、雨天時でも車への移乗がしやすいよう配慮しています。日常の動作が無理なく行えること、そして外部環境と豊かにつながることを両立した住まいを目指しました。











